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1.『噛むこと』がストレス解消法!?

よく噛めば、脳の気分転換になりストレスが解消する。

現代社会はストレスが蔓延(まんえん)しています。子育てや子供の教育、サラリーマンなら昇進や人間関係のもつれ、果てはリストラ、とストレスの種はつきません。

ストレスをなくそうと思うと、余計ストレスがたまってしまいます。よくいわれるように、ストレスと上手くつきあっていこうと考えた方が、解決法はみつかりやすいようです。

それでは、ストレスと上手くつきあうにはどうしたらよいのでしょうか。趣味をもつとか、旅行にでかけるとか、何か習い事をするなど、人それぞれでさまざまな方法があるでしょう。ストレス対策の本もたくさん出ていますが、おそらくどの本も、こうしなさいという断定する書き方はしていないはずです。

巨人の元監督、川上哲治さんが現役の選手だった頃、スランプに陥ってしまい、ストレスがたまってしまいました。周囲の人がこれはなんとかしなくてはいけないと考え、美しい女性がたくさんいるクラブに連れて行ったそうです。美女とお酒。これならストレスも吹っ飛ぶだろうと周囲の人は思ったのですが、川上さんは余計ストレスがたまってしまいました。その後、川上さんが自分で見つけたストレス解消法は、お寺に行って、座禅を組みことでした。

人はそれぞれですから、誰でもパチンコをすればストレスが発散できるとか、カラオケに行けばストレス解消になるなどという断定はできません。

でも、断定できることがひとつあります。それは「よく噛むこと」です。誤解のないようにいっておきますが、「よく食べる」ということではありません。ストレス解消と称して、大食いをする人がいますが、そんなことをすると、支払わなければならない代償が大きくなってしまいます。たくさん食べることではなく、少量でいいからよく噛むことです。

噛むことが情緒の安定につながる。イライラしたらゆっくりスルメを噛めばいいのです。あるいは砂糖の入っていないガムでもいいでしょう。

イライラして誰かとケンカをしたくなったら、その前にはまずガムを噛む。あごが痛くなるほど噛めば、だいぶイライラも治まっているはずです。

ライオンもお腹がいっぱいのときは、敵に飛びかかりません。人間はもう少し複雑ですが、それでも情緒が安定していれば、やたらと人に突っかかりはしないはずです。

「躁鬱(そううつ)」の研究は最近かなり進んできて、どういうメカニズムで起きるかがだいぶ分かってきています。噛むというのは、明らかにそう(躁)の状態になるはずです。

ストレスによるイライラがうつ(鬱)の状態だとしたら、スイッチを切り替えてそう(躁)の状態へもっていかなかればなりません。パチンコやカラオケが嫌いな人もいるでしょう。

でも、食べるのが嫌いな人はいないはずです。それにパチンコやカラオケに比べれば、はるかに手軽にできる情緒安定法です。

大阪大学歯学部口腔生理学教室の佐藤喜志夫先生たちが、ガムを噛むことが脳にどういう影響を及ぼすかを実験しています。

4分間、ガムを噛みながら休憩したのと、単に休憩をしたのとを比較した実験ですが、ガムを噛んだ方が、脳の前頭連合野(ゼントウレンゴウヤ/創造性や判断力に関係がある脳)の活動がしばらく高く保たれると推定される結果がでました。

噛むことと脳の覚醒の関係を調べた実験なのですが、ガムを噛んでいると、前頭連合野の活動が活発になるのです。

この前頭連合野は、意欲の中枢ともいわれる器官で、やる気を引き起こすことと深い関係があるし、また先程も述べたように創造性とか判断力に関係します。よく噛むことにより、落ち込んだ気分がスッキリとして気分転換になるというのは、やる気を刺激され、創造性を刺激されるので気分が前向きになるということです。気分が前向きになれば、気分転換に通じます。

イライラしたり、イヤなことで落ち込むようなことがあったら、とりあえずガムを噛んでみる、こうすることにより、うまくスイッチが切り替わって、意欲がわいてきます。おいしい食べ物をゆっくり食べてみることでもいいのです。ゆっくり噛むことで、脳に刺激がいき、今の状態と気分を客観的に眺める余裕がでることが肝心です。気分が落ち込む、イライラと考えてしまうのは、心が悪循環に陥る典型的パターンですう。この気分を切り替えて良循環に持ち込む手っ取り早い方法が、「よく噛む」ことなのです。

悩み事やストレスがあるときは、食欲もなく、あっても丸呑みしてしまいがちですが、こんな時こそよく噛むことを心掛けること!よく噛めば脳に刺激がジワジワと伝わり、積極的な前向き思考に向かいやすくなります。